No.73(英仏百年戦争と中央集権化) :
「百年戦争は英仏をどう変えたか?」
イギリスでは百年戦争直後、バラ戦争が起こり、その中で諸侯や騎士の力が落ち
ていった。また、ランカスター系のヘンリ7世はバラ戦争を終わらせてテューダー朝
を開き、星室庁裁判所を創立して強権を振るった。フランスでは百年戦争時に国
王シャルル7世が愛国心の中心となったため、戦後のシャルル8世の時から王権
が強くなり、諸侯や騎士の力が衰えていった。
<評価の観点>
関心・意欲・態度:
農民の娘ジャンヌ=ダルクが、自分たち高校生と同じ年頃で活躍したことに、大き
な関心を持ちながら学習に取り組もうとしている。
思考・判断:
イギリスでは百年戦争に続くバラ戦争によって、諸侯・騎士の没落がフランス以上
に激しかったことを的確に判断するとともに、それがイギリスをいち早く近世国家に
脱皮させたことの意義について考察している。
資料活用の技能・表現:
我が国の長篠の戦いを想起しつつ、図版資料によって大砲や鉄砲を中心とした戦
術の変化と、騎士の戦場での地位低下の関係について実感する。
知識・理解:
戦争が長引いたことや戦術が変化したため、英仏両国では諸侯・騎士が没落し、
王権が伸張して中央集権化が進展。このようにして近世の絶対王政が基礎づけら
れたことの、基本的な知識を身につけている。